tooh’s diary

半角全角、常体敬体が入り乱れるカオス

その日の獣には、 祈莉√

記事は鮮度が命!!!!


以下多大なネタバレを含みます


なんで祈莉が律希母の台本を持っているんじゃい、という疑問は誰もがきっと思うはずです んで瑠奈ちゃんもちゃんと訊いてくれるんですけど微妙にはぐらかされてしまう(思い返したけど祈莉がクロガネにもらったことを隠しているのであれば別にそれはそれでいいんだけど、でもそれであれば台本を貰ったことによる代償もないのはなんだかなあとは思う 別にその台本だけ渡しても成功するわけではないとクロガネ自身分かってるのにそのチョイスをした意味がよく分からんかった)

まあそれはそれとしてです 詩乃さんも「伝説の」というくらいの台本なのだから演劇部員で知らん奴おるのもどうなん?とか思った 言葉の選択で誇張しすぎたのかな

さて、「演劇に関する願いをなんでもかなえてくれるクロガネチャン」という噂がどこから湧いたかは知らんけど、とりあえずクロガネはその台本を使って素晴らしい舞台が見たい、だから祈莉に台本を渡したのだそうです クロガネにより祈莉が「獣」に選ばれた、ということでしたが、なぜ選ばれたのかまでは教えてくれませんでした

自分の実力不足を自覚している祈莉はクロガネに力を借ります それでも練習自体はやめずに頑張ります 湖畔で練習している姿を見て律希君はいいな~とか思っちゃったりして、そんなこんなで練習中に律希君が祈莉に「好き」と言っちゃうところからお話は動き出します まあもともと目を合わせるシーンがうまくできなくてれんしゅうしましょうね~~~~ってなってた時に主人公の方が祈莉の余りの可愛さに自爆して口走っちゃっただけなんですけど

雑に空気を読んでその他二人は先に帰り、残された二人で教室エッチ!!!!!!!!!!!!!!!!! 気が早い

で、その後祈莉ちゃんは女子二人に律希くんとお付き合いしていることをめっちゃ可愛く伝えます 尊死した 完全に練習してるもんだと思ってた二人はバチクソ驚くわけですが、舞雪は悲しそうです だって律希君のことをずっと好きだったのだから

律希は舞雪に、体の関係を持ってしまったのにそのこと謝らないまま祈莉と付き合い始めてしまってごめんなさいと謝罪します 舞雪の方も「これからは幼馴染としてやっていこう」的な感じになって、舞雪は二人の恋を祝福し、背中を押してあげようとしますが、「おめでとう」といった言葉は震えていました

舞雪は一人で帰ります そして道中で自分の恋が終わってしまったことをよくよく考えてしまって泣きます そんなところに菫さんが来ます 弱り切っていたので苦手な姉でも甘えたいよね 恋が成就しなかったことを打ち明け号泣 ここめっちゃつらい 最終的には「律くんが幸せになって、ずっと笑っていてくれるのなら、私はそれでじゅうぶんだよ」と締めくくり、ここで舞雪の恋は終わります つらい 本当につらい

さてラブラブの二人はデートをします 祈莉の立ち絵がもう可愛すぎて死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ ごちそうさまでした そして二人は祈莉の部屋で獣になった祈莉を人間に戻す儀式(意味深)をします

祈莉は台本についてよくよく考えてみます 物語は、虚構の中に真実を隠している、だからこの物語にも、何か語りえなかった真実があるのではないか、と そして「恋は終わるから恋である、その終わりも二種類あり、成就か失恋かだ」という結論に辿りつきます そして自分の恋も「失恋」に近づいていることを悟り、心の隅に不安を抱えたまま日々を過ごします

そんな祈莉を心配に思う主人公ですが、舞台を成功させたい、そのためには自分の犠牲もいとわない(ここは台本に登場する花の少女とかぶりますね)という気持ちの祈莉は「だいじょうぶ」と言って主人公の追及をかわしてしまいます

本番まで残り少なくなり、幸せな日々も長くは続かないことに苛まれ、次第に祈莉は疲弊していきます 半ば自暴自棄になって、本番までもう自分に関わらないでほしいなんて言っちゃったりしますが、そこはほかの三人が祈莉の「友達」として彼女を助けます 「友達」と過ごした時間の大切さに気付いた祈莉は、かけがえのないものを失いたくないと思うようになり、クロガネに力を返します そして、彼女は本当の笑顔を取り戻します

さて、祈莉は台本のタイトル「ソノヒノケモノニハ、」の不自然な読点が気になります この後に続きがあるのではないか?本当はこの後に続く物語があるのではないか?と思った祈莉は主人公と話し、物語の結末を変える選択をします

「命と引き換えにこの身をささげる、はじめはそれでいいと思っていた」「しかし少女は獣(青年)に恋をしてしまった」「私が消えても忘れないでほしい、それが生きた証だから」「その日の私には、本当の獣(あなた)が見えた」
となって終わるハズでしたが、ここに続きを足します

「人は本質的に孤独だ」「しかし孤独を嘆いてはいけない」「孤独とはひとりでいることではない」「人は孤独を知ることで孤独ではなくなる」
「人が愛を持ち、人を知ったとき、人は人をいつくしみ、人のために生きることを選択する」「私は消えてはならない、支え、支えしこそ、本当の生なのだから」

と、花の少女はここで消える選択をしないで、獣と生きる選択をします。そして、

「その日の獣には、大切な家族ができたのだ」

と締めくくり、大喝采の中、物語は幕を下ろします

すでに台本修正前までの彼らの演技を見て十分満足していたクロガネですが、続きまでちゃんと見てさらに満足し、彼らの輝かしい未来を願いながら成仏します よかったね

結局「この台本は律希母からクロガネに対するラブレターだったのでは?」という推測を立てる祈莉 

悲恋にするつもりは無かったのだが、何らかの事情でそれが叶わない恋であると知り、結末をこうすることで身を引こうとした でも本当はずっとそばにいたかった

想いを伝えると迷惑になってしまうのではないだろうか だから台本にその思いを閉じ込めた(本当の気持ちは書けなかった)のだと考えます おそらく合っているのでしょう クロガネが死んだ後に書き直されてこのような結末になってしまったのかもしれません

さて、発表もうまくいき、選考会を突破しました 湖で野外セックスをします おい

最終的に愛を確かめ合い、子供が欲しいね~~~なんてのほほんとした会話をしながら、「いまはこの日常というありふれた幸せだけで、じゅうぶんだった」と締めくくられます

嘘 最後に「そして、心の中に眠る獣は人となり、その恋は永遠となった」となります

暗転して、

I start a brand-new life with you. Along with their time has begun to move again.

と映し出され、エンドロールになります

あまり適当な考察をすると怒られが発生するのですが、前半の文章は祈莉視点の事で、後半のtheirはまあ素直にとれば「律希と祈莉」となりますが、祈莉が「獣」に選ばれたということや、わざわざ「止まっていた時間」ということと、そして「獣が人になった」ということも考えれば、「クロガネと律希母」ともとれるんじゃないのかな~とかなんとか思ったりしました


メッセージ性としては、やっぱりminori王道の「人を愛することの美しさ、すばらしさ」というのが前面にあると思うのですが、今作は「人とのつながりの大切さ」というのもあったように思えます。ヒロイン三人どれをとっても、彼女たちが抱える心の暗部を解消するには誰かの助け(主に律希)が必要になったし、そもそも彼らが舞台を作ることにおいては、全員の協力が必要になるものでした。逆に、人とのつながりがないと、一度転落したら人は這いあがってこれないとも読み取れて、それはそうだよな~~~みたいな気持ちになりました。
また「じゅうぶんな、はずだった」から「じゅうぶんだった」という心の動きが結構描かれていて、「足るを知る」の概念が散りばめられていたのも教訓的だなと思いました 個人的には知足は結構好きな概念なのでいいのですが作中では妥協ラインが「二人で幸せな未来を見る」なので教訓的とは......?みたいな気持ちにはなる

良かった点
・祈莉かわいい!!!!!!!!!!!!シロネもそうだったけどminoriの銀髪ヒロイン最高か?????????????????????
・三つの話の中では(核心に迫るという意味もあってか)読んでいて違和感が少なかった
・メッセージ性が美しい(ここの現実性は問うてなくて、そもそも論として現実的ではない)

よくなかった点
・祈莉ちゃん、普段の声はいいんだけども、喘ぎ声がふにゃふにゃしすぎてて集中できなかった たぶんこういうのが好きな人もいるとは思うけど

よくなかった点ではないけど、クロガネがいかにもヒールなのに全然そうでもなくてなんやねん......という気持ちにはなった



面白かったです ただめっちゃいい!!!とはなれなかった キャラ作りとかストーリーの組み方とか参考になりました